長野発今大注目のポストハードコアバンド"kOTOnoha"にインタビューを実施!

kOTOnoha

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昨今バンドをやっていく上で一番出すことが難しいとされているのが、バンド独自の個性だといわれています。

今回は、そんなシーンの中で圧倒的な個性を確立している長野発のポストハードコアバンド"kOTOnoha"にインタビューをさせていただきました。

ハードコアを軸としつつも、ラップ、エモの要素も独自の解釈で楽曲に落とし込み、また、ライブでもアドリブを含めた独特の世界観を持つのが"kOTOnoha"です。

 

今回はそんな彼らの楽曲やステージでのこだわりを含め、"kOTOnoha"の実態に迫っていきます。

ぜひご覧ください!

kOTOnoha : https://www.facebook.com/kOTOnohaband

インタビュアー: りーち

 


 

 

ーまず、はじめまして!りーちと申します。この度はインタビュー受けていただきましてありがとうございます。早速ですが、改めて自己紹介をお願いできますでしょうか。

また、現在"kOTOnoha"の皆さんが注目しているバンド、ミュージシャンを邦楽と洋楽で教えていただけませんでしょうか?

 

啓志(Vo):はじめまして。ボーカルの啓志(ヒロシ)です。ラップとシャウトを担当しています。よく誤読されるので、心が狭いと思われない上手な訂正方法を日々模索しています。特技はtwitterに妄言を投稿することです。ヒャー

邦楽全般が好きですが、最近はダンスとリンクして寄り添った音楽…たとえば"東京ゲゲゲイ"とか"WARAJI"(大阪のヒップホップ・クルー)に特にインスパイアされています。マインドとフィジカルの直結に無限の可能性を感じますね。「非日常」という点でヴィジュアル系も大好きです。

国内ヒップホップだとDownNorthCampとかDLiP Records周辺の「するりとビートを乗りこなす」感じが好きですね。内容と気持ち良さが両立されつつ、ヒップホップ的で独特なスラングも多い。機材車を運転する時もだいたいその辺を流していますね。先ほど名前を挙げた"WARAJI"MC"Jambo Lacquer"さんもめちゃくちゃ好きで、大阪までライブを観に行きたいと思っています。バンドだと東京の"YONA YONA WEEKENDERS"に注目しています。空気感含めて「シティ」なんですよね。ローカルでは得難い感じが凄く良い。

よく対バンするところでは東京町田の"RiTTLEBOY"、同じく東京立川の"Soldier who fights against Pain"もライブが超かっこいいので大好きです。未見の方は是非観てみてください。それから千葉柏の"FILTER"も、音楽スタイルでなく「巻き込んでいく精神」みたいなところでシンパシーを感じますね。めっちゃ好きです💓これ、使えるならハートマーク使って書いておいてください(笑)

洋楽は新譜を追いかけなくなってしまいましたが、去年出た"Tank"(NWOBHMじゃなくてシンガーの方)の「Savege」はグッドメロディが静かに滴るようなR&Bアルバムで、ずっと聴いていますね。

 

横田和樹(Gt,Vo):はじめまして。ギター&ボーカルの横田です。"kOTOnoha"では曲作りとかデザインとか諸々やってます。バンドとは別に「185studio」という名義で映像作ったりしてます。(お仕事お待ちしてます)

自分が聴く音楽って基本的に邦楽ばかりなんですが、最近は東京の"cattle"ばかり聴いてます。夏の昼間の田舎道を自転車で走る時にベストすぎて、マジでどこまでも行けます。ルーツは"toe""amazarashi"で、洋楽はみんな大好き"american football"を聴きます。

よく対バンするところでは啓志さんも挙げてる3バンドに注目していますね。

 

かわうちゆうき(Gt):ギターのかわうちゆうきです。ドラムの仔豚さんと一緒に2018年4月から正式加入しました。

最近注目しているというか、よく聴いてる邦楽はシンガーソングライターの"Rei"さんという方ですね。ブルース・ギターの一番新しい感じというか、とても好きです。

洋楽だと"Ed Sheeran"ですね。イギリス独特の訛りとメロが好きでずっと聴いてます。

 

平林(Ba):ベースの平林です。EUB(エレクトリックアップライトベース)を使っているのでステージでの見た目はインパクトがあるかもしれませんが、性格は陰キャです。ひだまりスケッチ」が好きです。

注目しているバンドとなると、やはり自分も町田の"RiTTLEBOY"ですね。演奏力、言葉のセンス、説得力、全部すごいです。とにかくライブ見てもらえればわかると思います。柏の"FILTER"も最高です。超ハッピーになれます。最高に「ハイ」ってやつだ!なんか顔痛いなって思ったら自然と笑顔になっちゃってるんですよ。とにかくライブ見てもらえればわかると思います。あと、同じ地元から上京してバリバリ活動している"C-GATE""FALLING ASLEEP"。同郷の仲間であり良いライバルだと思ってます。とにかくライブ見てもらえればわかると思います。

他にもいっぱいあるんですけど長くなるので止めておきます。洋楽は浅知恵であまり語りたくないので、遠慮させてください。

 

仔豚(Dr):はじめまして、ドラムの仔豚(こぶた)と申します!サポート期間を経て4月に正式加入しました。他に"THE FATAL ERROR"という叙情派ハードコアのバンドにも所属しています。あと昨年末まで"either"というエモ/青春パンクバンドでもサポートとして活動していました。ラーメンが超好きです。よろしくお願いします。

 国内のハードコアバンドだと滋賀の"5PM PROMISE"や名古屋の"Heliostrope"はメンバーと同世代なのもあって特に注目しています。ここ最近で活動の幅を急激に広げていて、自分はかなり刺激を受けてますね!また、メロディック系では宇都宮の"SonoSheet"が今年リリースした新譜「秒速340メートルの青」をよく聴いています!ド直球な青春メロディックパンクで最高でした。

海外だと"Take Shape"が5月に出した新譜「WEIGHTLESSNESS」にハマりました。往年の"It Prevails"ファンには堪らない美エモ作品でしたね!

 

 

ー"kOTOnoha"の皆さんの音楽はライブ、楽曲、twitterも含めて枠にとらわれず、非常に変幻自在な印象があります。現在のシーンで最も出すことの難しい個性を抜群に発揮されている皆さん。バンドの在り方、また、作曲時に意識されていることはありますでしょうか?

 

啓志:作曲面は他のメンバーが答えてくれると思うんですが、僕のパートに関して言えば、自由さと分かりやすさの両立は意識しています。対バンから受けた刺激を「自分ならこんな風にやってみる!」とロジカルに消化した部分が多くて、サンプリングしたものをさらにチョップ(分解)して組み換える感覚というか。あとtwitterはうるさいのでミュートしてください。

 

横田和樹:バンドの在り方としては、"本気でやる遊び"感は無くさないでいたいです。基本めっちゃふざけてますし。(何人かのTwitter見ていただけたらわかるかと思いますが)

作曲は一回ラフに作ったものをスタジオなりライブなりで肉付けしていってます。その時やりたい事とか弾きたいフレーズをそのままアウトプットしてるので、一度音源にしたものでもすげー変えちゃってます。

 

かわうちゆうき:楽曲に関して意識していることは、まず自分たちでやっていて気持ちいいかどうかですかね。やっていてつまらなかったらお客さんから見ていてもつまらないし…(笑)みんなで気持ちよくなれたらいいかなー、みたいな感じですかね(笑)

 

平林:私自身、ベースの主張が強い編曲があまり好きじゃないので自分の作るベースはほぼルート弾きです。雑誌「GIGS」で“初心者の君はこの曲から挑戦してみよう!”的な紙面に載せてもらいたいです。

私はいま32歳なんですけど、ツイッター上では4年ほど前から「17歳JK」ということにしてます。イノベーションです。うるさいんでミュートしてください。

 

仔豚:作曲するときは前任ドラマー2名のスタイルを踏襲しつつ…ということは意識しています。そもそも自分が叩くようになるまでは普通にファンとして観に行っていたバンドなので、前任時代の良さみたいなのは消さずに、自分らしさを混ぜるように努力しています!

 

 

ー私もライブを見たことがありますが、フリースタイル等、オーディエンスを飽きさせないステージングが魅力の一つだと感じました。あのアドリブは経験から出来るようになるのですか?

また、ラップ、サウンドも含めあの自由且つ、かっこいい世界観の構築の秘密を今後の若手バンドマンのために企業秘密でなければ教えてください。

 

啓志:フリースタイル含め即興部分は経験よりも感覚が大きいと思います。2年前に地元のクラブイベントへ遊びに行ったら深夜にオープンマイクをやってて、酒の勢いで「俺はデイタイムのバンドマン、ジャンルと日付を越えて遊びに来たぜ」みたいなラップで飛び込んだところ、ヘタクソなのに若いラッパーの子たちに妙にウケて…。「バンドマンならではの視点ッスね!」みたいな。それ以来、言葉って自然に出してもいいんだって感じで力を抜いて楽しめるようになりましたね。

運動神経が悪いので、ダンスするよりラップする方が自由にノレるぞ~くらいの気軽な感じでやっています。僕からするとメタル聴いてヘッドバンギングしたりエアギターするのと同じなんです。"SLAYER"の3rdが流れたら誰でも勝手に首振りながらエアギターしちゃうじゃないですか。しない人はちゃんとするようにしてください。

そういう感覚なので人に教える…というのもおこがましいのですが「自分なりの個性を見つける」という意味では、とにかく色々なライブを観てほしいです!観たら観ただけ成長すると思います。若いバンドの中で一人だけズバ抜けて目がいっちゃうような子って、だいたい出番以外もフロアで楽しんでるし、出演者じゃない日もライブハウスにいる気がするんです。

もちろんただ漫然と観てるだけじゃなく、カッコいい/カッコ悪いと思うものをそれぞれ分解して、自分なりに再構築するのが大切だと思います。

 

横田和樹:ライブ中はテンション上がって完全にハイになってるんですが、その勢いに任せてやりたいことやっちゃうぜって感じで、数秒前に思いついたフレーズとかを弾いてます。弾いたあと他のメンバーの顔見てドヤ顔するのが堪らないです。

 

かわうちゆうき:アドリブのセッションは本番前の音出しで絶対やりますね。やっぱりナマモノにこだわりたいというか、同じようなライブをしてもつまらないので。

 

仔豚:セッションに関しては、楽器の準備が出来るとみんな勝手に演奏し始めちゃうので、その流れで一緒に遊んでる感じです。なので、やってる間は特に深いことは考えていなかったり…すいません(笑)ただ次の作曲に使えそうなリズムや展開があればなるべくトライしていますね!打ち合わせは全くしてないので、他のメンバーと展開やキメがハマったときは最高に気持ちいいです。

 

 

ーライブでのパフォーマンスで意識していること、工夫していること、またこだわりの機材等ありましたら教えてください。

 

啓志:毎回楽しく、毎回違うライブをすることを大切にしています。転換時のジャムセッションもその一要素ですね。個人的にライブはお客さんや共演者との対話だと思っていて、その日しか出来ないことをするのが自分なりの敬意の払い方なんです。

これに関してはヒップホップのライブやレゲエのクラッシュにも影響されていますね。相手の言葉やその日の空気を踏襲しつつ、即興でお客さんを沸かすような流れが好きです。

 

横田和樹:ライブ中、メンバーにぶつからないようにしてます(笑)

 

かわうちゆうき:ライブパフォーマンスで意識してることは、特にないですかねー。使用機材も全くこだわりはありませんし、機材の知識も全くと言っていいほどありませんね(笑)強いて言うなら壊れない機材ですね。

 

平林:演奏で音が合うのも大事ですが、気持ちが合う事の方が大事かなと思ってます。メンバーと気持ちのグルーヴを高めます。演奏中にメンバーと目が合うと嬉しくなります。

 

 

仔豚:サポート時代は「スタジオに入らず、全員で合わせられるのはステージだけ」という時期もあったので、みんなで演奏するだけで楽しくなっちゃいますね!なので、"kOTOnoha"のライブでは「バンド楽しい!」みたいな気持ちをガンガン出していくようにしています。

演奏面では、曲中に複数ジャンルの要素が共存しているので「リズムで各要素ごとにメリハリをつける」みたいことは結構意識しています!

 

 

ー昨今バンドの解散やメンバー脱退等で、今まで活躍していたバンド、これから名を上げていくだろうと思われていたバンドが次々と音楽が出来ない状態になっていくのを多く聞きます。そんな現状をどう思われますか?

また、そんな中で"kOTOnoha"というバンドを続けていく意義を教えてください。

 

啓志:これは何とも言えません。辞める理由も止まる理由も十人十色ですから。解散するバンドに「どうにか続けられないの?」と無責任に言ってしまうこともありますが、そこはもうそれぞれの人生なので。もちろん寂しさはありますが、別の道でもまた会おう!って感じで、ポジティブに背中を押したいですね。別に人生にとって音楽が全てじゃないと思います。

"kOTOnoha"を続ける意義は「長野県にもバンドがいると県外に向けて発信すること」に尽きます。ありがたいことに最近は県外から泊まりがけで観に来てくれるお客さんもいて、長野いい所だった!と言われると本当に報われる思いです。僕はそれだけで続けられます。

 

平林:私も様々な事情でライブハウスから遠退いてしまった方を何人も見てきました。仕事や家庭など、人それぞれ事情があるのでしょうがないです。自分は今もバンド活動が出来ているし、ありがたい事にライブもたくさんさせていただけて幸せです。ハイウェイで強盗目的の男に射殺されても「Thank You! いい人生だった」と笑って死ねます。

 

仔豚:自分より若い人たちが辞めていっちゃうときは率直に寂しいですが、事情はそれぞれなので辞めちゃうこと自体に良し悪しはないと思います。難しい話だと思います。

自分は"kOTOnoha"で唯一の県外メンバーなんですが、自分が住む埼玉~北関東のバンドやリスナーがもっと気軽に長野に来れるように出来たら、なんて気持ちはあります。「あいつも長野でバンドやってるみたいだし、ちょっと遊びに行ってみようかな」って少しでも思ってもらえれば自分が"kOTOnoha"に加入した意義もあるかなと思ってやっています!

 

 

ー今から"kOTOnoha"を聴いていく人たちにメンバーの皆さんがオススメする"kOTOnoha"の1曲はなんですか?

 

啓志:今の自分たちを象徴するという意味で、MVも撮った「煤(すす) feat. Yuta Kobayashi (from PRAISE)」という曲です。また、自分で一番好きな曲は「夜を逃げる」(廃盤EP『いきる』収録)ですね。2014年のバンド結成時に作った曲のひとつですが、レゲエっぽいノリにポストロックっぽいギターアプローチとラップをブチ込んでまして、今の我々の雑多な音楽性を暗示していたような気がします。

youtu.be

 

横田和樹"kOTOnoha"は現状音源配信等をしてないので、とりあえずMVになってる曲をYouTubeで聴いてくれたら嬉しいです。

 

平林「朝5時」です。加入する前からライブを見ていて、一番"kOTOnoha"のイメージが強い曲なので。

 

仔豚:ライブでやっている「落日」という曲が個人的にはとてもお気に入りです。音源未発表曲なので是非ライブで聴いてほしいですね!

 

 

ー今後の"kOTOnoha"というバンドの展望、野望などあれば教えてください。

 

平林女子高生と付き合いたいです。

 

啓志まじやめて。えー、外に向けて長野県を発信するために色んなスタイルのバンドと共演したいし、大きなステージにも立ってみたいですね。新曲も貯めているので今年中に新音源も出したいなと…。自分としてはワンマンライブには全く興味なくて、あくまで対バンとの高め合いが理想ですね。ローカル、ハードコアマインドという軸はブレずに、周囲を巻き込んでいきたいです。

あと個人としてはソロとして何かやりたいですね。クリーンも歌いたいし、ラップでも英語を織り混ぜたりして、バンド形態とは違った聴かせ方を模索してみたいなと…。客演のお誘いやビート提供をお待ちしています!(笑)

 

横田和樹:もっと一緒にやるバンドの幅を広げて、いろんなジャンルの人と話してみたいです。

 

仔豚:自分が加わってから出来てきた曲もいくつかあるので、ガンガン仕上げて発表していきたいですね!

 

ー最後に皆さんを長野まで観に行く方々のために長野県のマル秘スポットがあれば教えてください。ちなみに私は「明治亭」の特製かつ丼ソースが大好きでもう食卓から手放せません。

 

啓志:僕は長野県北部の長野市在住ですが、蕎麦を勧めたいですね。1軒めちゃくちゃ美味しいお店があるんですが、 あえて名前は出しません。直接聞いてください(笑) それから長野駅近くの「みそ家」。地元の信州味噌を使ったラーメンを出してて、高校時代から通ってるソウルフードです!

あと、スポットではないんですが、ここ数年長野県産のクラフトビールシーンがめちゃくちゃ面白いのでチェックしてほしいですね。ぜひ長野県に遊びに来てください!

 

横田和樹:オススメというわけではないんですが、「煤 feat. Yuta Kobayashi (from PRAISE)」のMVの大半を長野駅前で撮影したので、映像と見比べながら散歩してもらえたら嬉しいです。

 

かわうちゆうき:僕の地元の長野県伊那市にある「原点」というラーメン屋ですね。高校生の時にバイトしていて、僕のソウルフードです。

 

平林:私の地元・安曇野市はわさび農場が観光名所で、わさびを芋(収穫した状態)のまま買えます。自分で擦って食べると市販のチューブわさびとは別格の風味が楽しめて最高ですよ。私はめんどくさいのでチューブわさびを買います。

 

"kOTOnoha"の皆さんありがとうございました!

 


 

このインタビューを通して、楽曲だけでなく人間的な魅力も十二分に伝わったかと思います。

そんな、"kOTOnoha"の音源は下記から通販可能です。ぜひ、チェックをお願いします!

kOTOnoha - MERCH-BUY | バンド・ブランドオフィシャルグッズ総合Web Store

また、ライブ情報も公式SNSで随時発表されています。

 https://www.facebook.com/kOTOnohaband

kOTOnoha (@kOTOnohaband) | Twitter

ぜひ上記でご確認を!

彼らを現場で確認しない手はないと思います。

また、彼らのホームタウン長野県にもぜひ足を運んでみましょう!

みなさん、今後も"kOTOnoha"をマストチェックですよ!

 

りーちでした。